うつ病になって良かった?
まず断っておくのは、この記事でうつ病を美化する気はない、ということです。
昨年、うつ病をわずらいました。正確には「抑うつ状態」という診断名でした。うつ病の一歩手前といったところでしょうか。「かわいそう」という声も聞こえてきそうですが、見方を変えれば悪いことばかりでもないのです。
それはなぜか。病気は「今の生活が本来の自分のペースと異なっている」ことを教えてくれるからです。つまり、どこかしら無理をして走り続けている状態です。私はこの病から次のことを教えてもらいました。
- 自分のキャパシティを知った
- 熱しやすく冷めやすい性格から地道に長く続ける事を意識するようになった
- 苦手なことを無理やり続けるより自分が自然とやりたくなることを探すようになった
よくよく考えれば、うつ病になるまでの生活はすごく疲れることをしてたなぁと感じるのです。
気付いてみれば、自分は2つのことを同時にこなすのは苦手だったのに、うつ病になるまではたくさんの趣味を持って楽しもう楽しもうと必死でした。考えてみれば、楽しもうと思って楽しむことなんて楽しいはずがないんですけどね。
生きているうちに少しずつ見失う本来の自分のペース
親から強制されたり、素敵な先輩にあこがれたり、本に影響されたりしながら、少しずつ本来の自分のペースではない生き方をしていきます。でも、自分の中には生まれ持ったペースやリズムみたいなものが存在して、だんだんとその調子を乱していくことになります。それが積み重なったのが「病気」という形で身体に現れるのでしょう。
どんなに他にあこがれても、どんなに強制されても、他人にはなれないんです。一足飛びで自分を生きていくことはできない。どんなに周りから遅れようと、自分のペースで走り続けるのが最も健康だと思います。
周りで一足飛びに見える人は、それがその人のペースなのか、無理をしているのか、どちらかかもしれません。
うつ病が自分のペースを知ることの大切さを教えてくれた
冒頭でもいった通り、うつ病を美化する気は毛頭ありません。しかし、誰も不健康でありたいとは思いません。健康であるためには、その病から何かを学ぶ必要があります。今回は私がうつ病から学んだのは「自分のペースで進めることの大切さ」でした。
もしかしたら、生き急いでいる方や、他人のペースで人生を生きている方が、その事実に気付かずに苦しい思いをしているなら、少しでも気付きとなればと思って書いてみました。