英雄より早々に死んでいった兵士の物語が見たい

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がちがちと震える歯、強く噛み締め痛みだす顎、血の気が引くように速くなる鼓動と吹き出す汗―

 

勇猛果敢に敵に挑んで、知略と胆略に富んだ戦術で英雄となった人々がいる。武将やヒーローといわれ、現在までその名が語り継がれている。

 

その人々の影にもなれず、当然のように死んでいった兵士は、おびただしいほどの血を流しながら誰にも知られていない。

 

何の物語の主人公にもなれない人間。

戦場に捨てられ枯れた体に宿る無念。

 

 

死にたくない、ここはどこだ

 

何を思い戦場に向かったんだろうか。どんな幼少期、少年期を送り、いつ絶えたんだろうか。

家族は、恋人は―

 

語るに語れない名も知れぬ凡百な人生。今ではわからないその人々の思いを知りたかった。心臓が膨らみ息苦しくなる程の恐怖。英雄には知りえない、恐怖に打ち勝てぬ心と世に振り回され続けた身体。

 

英雄より早々に死んでいった兵士の物語が見たい