なかなか治りづらく希望の光も見えづらいパニック障害の治療において
これ以上深みにはまらないために注意喚起しておきたいことがあります
それは
パニック障害でピアサポートや自助会に行ってはいけない
ピアサポートや自助会とは【同じ課題に直面している人たちが互いに支え合う】場所のこと
ニュアンスが少し異なりますが、ピアカウンセリングやピアリスニングとも言われたりします
同じ課題に直面してる人たちが互いに支え合うこと、一見とても合理的で協力的に思えます
会社の新入社員同士の飲み会なんてそうですよね
新入社員同士が集まって普段職場ではいえない上司の愚痴や仕事の愚痴を言い合ってストレスを発散する
よくある光景かと思います
しかし、ことパニック障害や不安障害となると、この方法は逆効果です
なぜなら…
予期不安にとらわれる
パニック障害特有の症状「予期不安」
予期不安が何かわかっている人は次の3行は読まなくて大丈夫です、無駄な不安をあおりますから
予期不安とは、「不安な事が起こるかもしれないという心配からくる不安」といえるでしょう
例えば、「電車に乗ったら動悸がして倒れてひと目を集めることになるかもしれない」という不安から「電車に乗れない」という状態です
先を予測しすぎてやるべき行動が起こせないという、まさに生活に支障をきたす「障害」レベルのものといえます
パニック障害の人はこの予期不安がとても強いのです
僕が自助会に行って「失敗した」と思ったのは人の話を聞いたときでした
ある方がこう言っていました
「ある日会社の前に行ったら動機がして出社できなくなった」
僕はとっさにこう思いました
「え、自分もそうなったらどうしよう…」
お気づきでしょうか
この時点で自分にはもう一つの予期不安の材料が増えたことになります
治すために行った自助会で僕は新たな不安の種を増やしてきたのです
他人の話を聞いても何にもならない
これが僕がパニック障害でピアサポートや自助会に行ってはいけないと考える理由です
パニック障害の人の思考は凝り固まっていることが多いので、一度「こう」という話を聞いてしまうとそこから思い込みを修正するのが難しいのです
思い込みがあることに気づきそれを医療関係者の力を借りて修正していき、最終的には自分でそれを行えれば寛解は目の前です
しかし治療の途中で不安が頭や体にこびりついて離れない時期に、他人の不安の話なんか聞いてもなんの良いこともありません
みんなで集まって病気のことを考えることは逆効果
パニック障害の治療の一つに「恐怖突入」というものがあります
これは言い換えると「怖くてもやってみる」ことです
例えば、今まで電車に乗れてたけどパニック障害になってから電車に乗れなくなった人は、一駅でいいから怖いけど電車に乗ってみる
何か起こるかもしれないし何も起きないかもしれない
これは「とりあえずやってみよう」ということです
逆に、「不安にとらわれる」のがパニック障害の根本です
これは言い換えると「常に病気のことを考えている状態」です
ピアサポートや自助会もみんなで集まって「病気のことを考えている」場所なのです
つまりピアサポートや自助会は、パニック障害の治療とはかけ離れていることをやっているのです
みんなで話し合ってる暇があったら
楽しいことを1つでも多く見つけて、それをやるために行動範囲を広げていくとか
ドクターショッピングをして相性のいい医者を見つけてその医者と対話を重ねるとか
やることはたくさんあります
治療に神経質になる必要はない
ここまで話をすると
「じゃあ人の話はもう絶対聞かない」
となるのが、過去の自分を含めたパニック障害の人にありがちです
白か黒かではなく灰色を選ぶという選択肢を用意しておいていいと思います